地獄の季節に花は咲かない
わたしが印刷した資料をコピー機から取り出したら、文字を生み出した指を裏切るように一本の切り傷を作っていった。
人差し指から出る少しの血を洗い流して、ヒリヒリする箇所を咎めるように撫でてみる。
こうやって、人知れず何かに裏切られて、地味な痛みをずっと持ち運んで生きてくのだろうか。
今のような生活はちっとも当たり前じゃなくて、それ以前の生活といえば、
あの田舎から帰ってきたばかりのわたしはただのキチガイで、
寝れぬ、食べれぬ、忘れられぬ、の
やせ細った不健康体で生きてるただのゾンビだった。
ずっと泣いてて腫れた目と、ガリガリの体、24時間眠れずに歩き回り、ただただ家族に迷惑をかけた。
だけど、書き尽くせないほど裏切られたり、悲しいことを経験して、
毎日、朝が来ても夜が来ても憂鬱だった。
それでも、友達、家族に支えられて、なんとか健やかに生活できるようになった。
母親が仕事に行ってる最中、掃除やご飯を作った。
ささやかな楽しみも見つけられた。
でも、あの田舎から帰って来た後遺症を抱えて、人に気を遣われながらの生活は、苦しかったけど、暖かかった。
あの街は寒かった。
帰って来たのは初夏だったはずなのに、わたしはずっと寒くて、夏になったことすら知らなかった。
ハロワと家の往復で、お金もなくて、
人間として終わってるなと何度も思っていた。
無事に今の仕事にありつけたことは、とても感謝しなくてはいけないんだと思う。
ゾンビから人間に還ってこれたから、
なかなかないチャンスだったと思う。
入社試験もすごく頑張って勉強したし、何かを目指す努力というのを、きちんと真っ正面から向き合って、出来たから、良かった。
なんか、
ブログにいつも、
悲しかったことをツラツラと書いてしまう。
くさいものを何度も嗅ぐ人は変態だし、わたしも、悲しいことを何度も思い出すから、変態なのかもな。