一生愚直で一瞬誠実
生涯、言われただけの「好き」を持ち込んで、その先を、求めるのは、何で。
前好きだった人からは1度も「好き」だなんて言われたことがなかった。
だから言ってくれるお人形を愛でて愛でて愛でて死んだ。
彼氏が出来ても裏切られちゃうな、先に裏切るならセフレがいいな、でも本命いて傷ついちゃうならアイドルがいいな。
好きだと言われて、言われなくて、言われたくて幻覚見ちゃったな。羽が生えててふわふわで「また会えるよ」っていいながらわたしを星として君の夜空に置いてくれた。空に何個星があるのかを人は知らない。「キレイだね」と眺めるあなたの横には何人いるの?その指輪をつけた手でつないだ片手は誰なの?そこはどこなの?空き地なの?飽きちゃう?飽きないの?諦めないの?秋になるね。
わたしは紫色がわからなかったよ。
あなたの色を永遠に感知できないよ。
触っても言葉で説明しても色なんてわからないよ。
色彩感覚が鈍く薄くからく色の音がする。
「これは茶色だよ」
あの一瞬を忘れて生きるのは容易いくせに何度も何度も忘れたくないって言った。
麻薬のような幸せを嘘みたいにくれる人は近付いたら確実に殺戮兵器だとわかっている。
一瞬だけなら騙せちゃう。だけど一生治らない不誠実さを許せますか?
現実は、名残惜しいくらいで「さよなら」というのがいちばん良いと知っている。
ねぇ、真面目だから狂いたくなるんだよ。