融解離脱

頼むから愛してクレメンス

生茶ブロン爽健美茶メロン

どこの会社にも高橋一生似の既婚者がいて、若い社員に手を出して俺たちの秘密にしてる気がする。そんな話をいろんな友達から8万回くらい聞いた。高橋一生は何人いるのか、集計を求める。


すすきのの中心でバカみたいに叫んだ。「好きです」の答えはスマホを触りながら言われる「うん」でも、LINEで流れる「俺も」でもなく、「俺の方が好きだよ」だった。はじめて正解を見つけたと思った。これまで貰ったどの言葉よりも嬉しくて、嘘だった。


例えばわたしはこのまま生きて、30歳になって、その頃にはこの間言われた「正社員になることを見越した仕事量」をこなしているのか。今こんなにしょうもない自分が、駅を歩くスーツの人間と同じように普通に外に出られるのか。

夢ばかり見てコデインとエフェドリンを頼りにしてて、マイメロディのケースから溢れ出る雪のような幻は甘くて、具合が悪い。


大好きだけど大嫌い。もう恋なんてしないとか男は嫌いだとか散々散々言ってたどり着いた正義がこちらだった。お金をかけて妄想に浸るだけの簡単な日常になんの辛さがあるのか。なんの辛さもない。全ては無に還り、重量がなぜあるかも、水がどうして透明なのかもわからない。


人とは触れ合うべきじゃない。

触った分だけ思いが強くなる。

いろんな人間がいるけれどわたしは無理だ。

誰かを崇拝しすぎると壊れるし、誰もいないと壊れる。

でも勝手に治る。

勝手に治っても、腕が頭についていて、内臓が羽になって、目は見えなくなるけど、耳だけはずっと、ずっと遠くまで聞こえてる。